最終日は結構あっさりしていた。
朝起きると、とりあえず朝ごはんを食べて、ラウリのお母さんシルパに、車で体育館まで連れて行ってもらう。
ユーインも一緒だ。
本当はディアボロソン、という競技イベントがある予定だったが、地面がぬかるんでいるので中止になる。
代わりに、昨日できなかった、ディアボロ・MODコンテストの結果発表を行う。
といっても大仰なものではなくて、参加者が作ったディアボロをジャッジが適当に評価するだけの、肩の力が抜けたイベントである。
よく作り込んであるんだこれが
そしてこれについて、それっぽい解説を加えるのだ
ユーインと相談して優秀作品を決めた。
最後に、ラウリが総括をする。
どんなところがよかった?
どんなところを直して欲しい?
今年でFDCは終わりだ、というけれど、まだまだラウリの思惑は続きそうである。
※ ※ ※
ヨーナというFDCの参加者に車に乗せてもらい、タンペレ、という街に来た。
フィンランドでは二番目に大きい街だ。
北欧諸国の中でも、内陸にある街では一番大きい、という。
確かに今まで訪れた町や村(ヨエンスー、ロヴァニエミ、エラヤルヴィ)に比べると、規模は雲泥の差である。
少し昼寝をしてから、街に出た。
素敵なカフェを見つけたので、そこに入って、しばし書き物をしていた。
PELLA'S CAFE。
フィンランドにしては価格も手頃で、非常に良い。
タンペレで落ち着けるカフェをお探しの際はぜひ。
秘密基地、という公演、僕が横濱ハッピーターンというグループで出た回のことを、インタビューでまとめた雑誌がpdfで届いたので、それも読んでいた。
(公演について http://juggling-pintcle.com/omnibus/)
昨年の冬のことをありありと頭に思い浮かべながら、一時間ぐらいかけてじっくり読んだ。
その時間、すっかりフィンランドにいることを忘れていた。
ふと顔をあげると、周りの人が話すフィンランド語が聞こえ、シンプルで素敵な服を来た老若男女が目に入って来た。
僕は、考える。
別に日本語の雑誌を読むのに、フィンランドにいる必要はない。
でも、僕はこの雑誌を、遠く離れてタンペレのカフェで読んでいることを、とても素敵だ、と感じた。
寒い中、京都の小劇場の舞台裏で、縮こまりながら、黙ってみんなで出番を待っていた時のことを思い出して、なんだか温かい気持ちになっていた。
それで、京都にいるみみずくんに会いたいなぁ、とか、他にも、ショーグンとか、だいごさんとか、そいそいとか、横ハピのメンバーとか、とにかく日本にいるジャグラーの友達に会いたいなぁ、と、思っていた。
それは、遠くにいることと、関係があるような気がした。
以前香港の空港で5、6時間ぐらい待たなければならなくて、その間日本語の新書を読みながら書き込んだりしていたのが、とても幸せだった感覚を思い出す。
タンペレで特別なことをしようだとか、一切思わない。
ただ、久しぶりの友達に会えて、一緒にお昼でも食べられたりすることが、一番楽しい。
明日は、久しぶりに、マルコに会う。
マルコは、ラウリとともに、僕がフィンランドに来るようになったきっかけを作ってくれた人である。
※ ※ ※
今はこれを、一人で、ヨーナのアパートのキッチンで、音楽を聴きながら書いている。
キッチンにいるのは、共有部屋の電気のつけ方がわからないからだ。
でもこういう時間が、いいな、と思っている。
アゾレスで買った2ユーロの茶葉でカップに一杯だけお茶を入れて、それを飲みながら。
0 件のコメント:
コメントを投稿