2018年5月22日火曜日

第82回 ジャグラーじゃなかったころ。

僕がジャグリングを始めたのは、中学3年生の時です。
今から12年も前のことです。

そのころの僕、つまりジャグリングを始めたころの僕の映像は、
特に今残っていません。
たぶんどこかにはあるんだけど、すぐ見られるような所にはありません。

唯一、写真だけはある。

芝生で、チェックのシャツを着ていて、嬉しそうに
ボールを投げている写真です。
ジャグリングを初めて1ヶ月ぐらいの頃だったとおもいます。

その時使っていたのは、100円均一で買って来たゴムボールに、
自分で鳥の餌を詰めたものでした。
そのボールを使うまでは、なんだか、テニスボールかなにかを使っていたと思います。
テニス部のボールを校庭からひろって来て、勝手に使っていました。
テニスボールは、あんまりジャグリングがしやすいボールではないので、自分でやりやすいボールを作って練習し始めた時は、とても充実した気分でした。
これで僕はもっと上手くなるぞ、という予感みたいなものがありました。

さて、ジャグリングを習得する以前の僕は、どういう人間だったのでしょうか?

同じ部活の友達が、2つのボールをお手玉したり、棒をバランスを上手にとるのを見て、
「君はそういう芸がうまいんだね」
と言ったのを覚えている。

そのころの、実際的なからだの「感じ」は、今や全然覚えていません。
それはそうと、昨日の自分のからだの感じだって覚えちゃいないんですけどね。

ちょっとだるくて、眠かった、というのだけは覚えている。

第81回 ニルダと話したこと

昨日も、引き続きニルダのワークショップ、通訳でした。
ニルダはやっぱり明るい人でした。
そして、色々と遠慮がちだけど、話も合わせやすい人だった。


ヨーロッパのサーカススクールの話、
ベルギーのフェスティバルの話、
立ち飲み屋でビールを飲みながら、はなしました。
そのフェスティバルについて書いたPONTEはこちら

なんだかうまく言えないのだけれど、
こういう風にアーティストと、人として関わる時間がすごく好きです。
シンガポールに行っても、
台湾に行っても、
やはりいつまでたっても覚えているのは、
一緒にパーティをしたことだったり、出かけたりしたことだったりします。
「すごい人だ」なんて垣根は全然なしに、ただ「ひと対ひと」として
一緒に目を見て笑いあっている時間を、心からうれしいよなあ、と思います。

ニルダもそのことは言っていて、やっぱりそういうのって、いいよね、
と、二人でビールを傾けながらゲラゲラ語っていました。

AAPAのお二人や、公演、ワークショップに関わった方々とも打ち上げで話ができて、とても楽しい時間でした。

2018年5月20日日曜日

第80回 ニルダ・マルティネのワークショップ



 昨日、東京・北千住で、ダンスカンパニー・AAPAが主催の、『となりとのちがい』という公演で、ニルダ・マルティネ(Nilda Martinez)というジャグラーとAAPAのお二人が演じる舞台を観ました。
 ニルダは、フランス生まれの26歳。僕と同い年です。(上写真真ん中)
 今はベルギーに拠点を置いています。
 Le Phare(ル・ファー)というカンパニーで活動をしている。
 ニルダ本人は、「僕はジャグラーじゃないんだけど」と言います。
 しかし道具の捌き方はどう見てもジャグラーです。
 そもそもクラブをよく使うので、「ジャグラー」に見えてしまう。


 会場はBUoY(ブイ)という、廃墟を改造して作られた、わりに大きな会場でした。カフェも併設されていて、落ち着いた雰囲気です。

 公演が終わると、ワークショップの通訳もしました。
 内容は「ものを使った時の、からだの動かし方」です。
 「必然性」というキーワードが付くのが、ポイントです。
 振り付けを作る指針として、「こういう理由があるから、こう動く」という「必然性」が必要だ、ということなのでしょうね。
 
 まずは基本的なからだの動かし方を、床からの高さ(レベル)、とか、直線、曲線、文字をなぞる、と行った形で、具体的に実践しました。
 それから道具を持つ。
 ものの重力に従う、とか、人を追いかける、とか、道具の動きを体で追いかける、とか。
 とにかく常に「目標」を据えて、それをなぞる形で、新しい動きを模索しました。

 ジャグラーとダンサーが入り混じって、道具を持ってスペースを動き回りました。
 ジャグラーにはジャグラーの、ダンサーにはダンサーの、動く質感の傾向みたいなものがありました。
 ジャグラーはやはり道具を扱うのがうまいし、ダンサーは、からだを動かすのがうまいです。そういうことって、目の前で対比されて初めて分かるんだな、と思いました。
 やっぱり明らかに違いました。 
 ニルダはちょうどそのいいとこ取り、という感じで、お互いのジャンルの人にとって、刺激になっていたように思います。

 「人が道具を扱っていると、どうしても道具に意識がいってしまうから、その時に環境にもきちんと意識を向けて、視野をオープンに保っておくのが大切だよ」と彼はにこやかに語っていました。「僕にも難しいんだけどね」と。
 ニルダは謙虚で、感じのいいフランス人でした。

 あんまり本筋とは関係ないけど、ヨーロッパのジャグラーと一緒にいると、ヨーロッパに行きたくなるんだよなぁ。

2018年5月19日土曜日

第79回 WIREDで紹介されるっていうのは、なんだか嬉しいですね

WIREDという雑誌はご存知ですか?
テクノロジーや、「イケてる話題」を取り扱う雑誌です。
日本でも独自の編集版が発行されています。(プリント版は2017年末に休刊となった)

アメリカ版WIREDで、ジャグリングが本格的に紹介されているのを見つけました。
ナンバーズジャグリング(多くの数を扱うジャグリング)についての、わりに詳細なインタビュー映像。
フォーカスされているのは、14個で世界記録を持つアレックス・バロン。
BBBで有名なザック・マカリスターも出てます。



『Why It's Almost Impossible to Juggle 15 balls』(15個のボールをジャグリングすることは「ほぼ不可能である」理由)。
内容自体というより、ジャグリングが、綿密な取材の対象となっているということがとても新鮮に、かつ嬉しく感じられました。
たとえば日本の地上波で、「ジャグラーの〇〇さんです、どうぞ!」「すごいですねえ」「どうやってやってるんですか」みたいな、特に本質的な理解を目指していないどうでもいいコメントがなされて、最後は大御所がボケて、(ジャグラーが「イジられ」て)特にリスペクトの空気を感じることなく終わる、みたいなこととは大違いです。
真剣に科学している姿勢が好ましいし、ジャグラーとしても、十分に興味を持って見られる話題です。

これもあんまり本筋と関係ないのですが、「15個をジャグリングするには、15個を投げるということに特化して、身体をOptimize(最適化)する必要がある」と言っているところがあって、その「最適化」という言葉が、自分にとっての大事なワードであるような気がしました。
そうか、ジャグリングっていうのは、多かれ少なかれ、自分を特定の動作に「最適化」することなんだよな、と。
インプロの難しさもそこにある気がしました。
自分を、決められたことに最適化するのではなく、(ナンバーズジャグリングにおいては、最適解がかなりわかりやすい状態である)「その場の状況に合わせて、面白い行動をとれる」という状態に自分を最適化する、ということなのだなと思う。
最適解をいつでも崩せる、というか。

ジャグリングにもいろんな「最適化」がありそうです。

2018年5月18日金曜日

第78回 多分僕はたなかさんの作品がすごく好きなんでしょう

A Project, Seven Boxes and Movements at the Museum from Koki Tanaka on Vimeo.

このビデオ、国立現代美術館で観たのを覚えています。
この中でやっていることは、ジャグラーにも通ずるものがあると思う。

2018年5月17日木曜日

第77回 そしてまた今日もたなかさんの作品・「コーヒーと旅」


coffee and journey from Koki Tanaka on Vimeo.

またこの人の作品を紹介してしまう。
あまり役に立つようなことを書く場でもないので、何かを紹介して、思うところを述べるくらいでちょうどいいのかも。

さてこの作品ですが、このシンプルさがたまらないですね。
コーヒーを入れるためのものたちを、日本中で買ってくる。
なんだ、バカなことするなあ、と思いますが、同時に実際には僕らはこういうことを平気でやっています。
今僕が使っているパソコンだって、パーツごとに分解したら、世界中からの物質が集まっています。
この一事だけにフォーカスされると(もはやドキュメンタリーですらなく説明だけですが)「各地から持ってきたものを一箇所で使う」ということの質感の一端が浮き彫りになりますね。


第76回 アイデアを売っている

Someone's junk is someone else's treasure. from Koki Tanaka on Vimeo.

Koki Tanakaさんの作品ばかり紹介していますけれども。
でも、随分楽しい作品をいっぱい出してらっしゃいます。
この映像でやっていることも、シンプルでとてもわかりやすく、いいです。
「あたりを歩けば拾える、椰子の枝を売る」

ジャグリング関係ないじゃん、とは思いますが、実践のアートとしては良い手本にだなぁ、と感じます。

本人は「アイデアを売っているんだと気づいた」と言っています。
なるほどね。