ことのいきさつ。
※ ※ ※
もともと、ヘルシンキの空港から、北の目的地、ヨエンスーまで行く電車の切符を、インターネットで予約していた。半額の22ユーロだ。フィンランド人もびっくりしていた。
そしてヘルシンキの空港には、早朝6時には着陸した。
時間からして、予約は8時ごろの電車でもよかったのだが、ひとまず余裕をみて、10時半ごろの電車に乗ることにしていた。
案の定、スーツケースが出てこないというトラブルがあったので、思っていたよりも遅くゲートを抜けた。
10時過ぎの予約だから、発車までには充分に時間がある。
だが時間があるからと言って、うっかり遅れたら話にならない。
発車時間を何度も確かめ、15分前には駅のホームで待機していた。
しかし、である。
実は前日の電車を予約していたことに、乗車10分前に気づく。
慌てて、目の前に止まった電車の中にいた駅員に、ことの次第を伝えた。
もしかしたらなんとかなるかも、と思ったのだ。
だが悪いことに、話をしているうちに、乗っていた電車が出発してしまった。
それで、行くはずのない駅に行ってしまって、乗りたかった長距離列車を見事に逃してしまったのだ。
いまさら仕方がないので、乗り換えの駅までとりあえず向かう。
そこで、黙って次の電車を待つことにした。
その乗り換えの駅、すなわち次の長距離列車が来るまで、3時間待たなければならなくなった駅の名前が、「ティックリラ」だ。
ティックリラ。
こんな気の抜けた名前の駅で、いつまでも電車を待たなければならないとは。
ティックリラ。
「ヘルシンキ」とか、「コウヴォラ」とか、まだ少し力のこもった名前の駅もあるんだけど、僕が3時間ただただ待機することになったのは、「ティックリラ」であった。
4時間も余裕を持って予約をとったはずなのに、とやるせなかったが、なんだかだんだん面白くなってきてしまった。
ちょっとティックりしていこうか、みたいな。
迎えに来ると行ってたラウリさんも、別に3時間ぐらい後になっても全然いいよ、と言ってくれて、すっかり落ち着いてしまった。
ちなみにティックリラでは、スーツケースが手元にないために、街に出て「ドレスマン」というお店でパンツとTシャツを買いました。
駅名の色もお茶目
0 件のコメント:
コメントを投稿