2018年6月30日土曜日

第122回 「トリック」に惹かれなくなって来たことについて

10年前に、ジャグリングがまだまだ全然できなかった頃、新しい「トリック」を習得したり、新しい「トリック」を考えたりすることにとても興味があった。

最近はそうでもない。

技術を十何年経っても常に追い求め続ける人を見て、すごいなぁ、と本気で感心している。
同時に、なにか最近、「新しいトリック」というものにいよいよ今ひとつ熱くなれない自分がいる。
「トリック」の中の細かい違いよりも、どういう人がやっているのか、という部分が気になってしまう。
うまくなる、と一口に言っても、やっぱり「うまい」という基準そのものが、なかなか単純ではないなあ、とも思う。
「観ていて気持ちいいもの」は、演じる方の気持ちの持ちようとか、見る人と演じる人の関係などで変わってくる。

Bboy Cloud という人を横ハピのケント君に教えてもらった。
この人は、あくまでインスタグラムから受ける印象なんだけど、ヒーローになろうとしている、というより、ただ周りの人を喜ばせる、笑わせる、そういう気持ちが強い人なんじゃないかと思った。
それで大勢の人から支持を得ている。
そのことを、僕はすごく魅力的だなぁ、思った。
もちろんごりごりパワームーブを爽快に決めてくるBboyも見ていて気持ちいい。でも実際のところどんな人なのかは知らないけど、Cloudみたいな印象を与える人というのは、とても優しくていいな、と思う。
ダンスをやっていない時の自分とダンスをやっている時の自分が、すごく上手く混じり合っている、みたいで。
ディアボロのエティエンもそういうところがある。
まぁなんか、テキトーに行こうぜ、みたいな空気を持っていて、憧れる。

場所に応じて、求められるものというか、こんな部分を見せようかな、と臨機応変に自分が見せる部分を変えられる人は、とても素敵だよな。

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