2018年6月26日火曜日

第118回 ツマラナイことの連続

カテリーナ・カンプラーニさんという、人のよさそうなギリシャ女性のデザイナーがいる。
作品のいくつかを、映像で見た。
太すぎるナイフや、二つが取っ手で鎖のように繋がれてしまったマグカップ。
柄の部分と先の部分がチェーンで繋がれているフォークなど、「使いづらい」形状を考えて、デザインする"The Uncomfortable"プロジェクトを展開している。

彼女はこれを「私の作る道具を見るとみなさん、怒るんですが、役に立たないこれらの道具は、教育的な役割を果たしているんです」という。
なるほどね。

こういうことをジャグリング道具でも実験したいな、と思った。

だからとりあえず忘れないために、という意味も込めて、動画をシェアした。

ジャグリングでこれができたら相当面白いだろうな、と思った。
いろんな人から評価されたりするだろうな、と夢想した。
「面白そうなこと」って、思いつこうと思えばバンバン思いつける。

けど、バンバン実現できるかと言ったら、そうでもない。



話変わって、先日まさやんに口頭インタビューをした。
まさやんは、皿回しで今度IJAコンペティションに出る。

どういう風に今のスタイルになったのかを聞くと、
「『皿回し』で、他の人ができないことをやってやろう、と思った」
と言っていた。

実際、まさやんはいま、4枚をスティックの上で投げたりしている。
皿回しジャグリングの境地を開拓し続ける、トップの存在だ。

思いついたことを言葉で言ったり、絵に描いてみるのは簡単だ。
なんだか夢が広がって、わくわくする。

だが現実にそれを形にする過程は、ツマラナイことの連続だ。
練習をするにしたって、まず練習場所を確保する。
どうやったらできるのか、考える。
「全然できない」という状態が何日も、何ヶ月も、続く。
その間も、「それでも俺はこれをやりたいんだ」と自分に思わせないといけない。

一つの思いつきを実践するのに、何年もかかることだって珍しくない。

まさやんが今にたどり着くために、どれだけ黙々と、地道に練習を重ねてきたか知っているから、余計にそう思う。

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