先日無印良品で商品を触っていたら、
無印のものってどこか「触りたくなる」曲線を持っているよなあ、
と思った。
それでこれが、どうもジャグリングと関係がある気がしてきた。
(この感覚自体は以前からあったのだが、先日思い立って少し文章にしてみた。この記事は、そのメモの派生。)
「カッティングボード」
という、持ち手が極端に短い、
分厚い卓球のラケットみたいな形をした小さいまな板がある。
その触り心地がとてもよい。
少し重い。
そして、その触り心地であったり、重みであったり、材質であったり、匂いであったりを確かめるために、振ってみたり、ひっくり返してみたり、回してみたり、バランスをとってみたりする。
「うん、触り心地を味わう、というのは、とても楽しい行為だな」
と思った。
触って動かしてみること、というのは、
その「もの」についての一次情報を得ることなのだ。
これはジャグラーがやることに領域が近い。
同じかも、と一瞬思おうとしたが、
同じではないな、とは思う。
ジャグラーはどちらかというと、
いかに巧みにモノを操るか、ということに主眼を置く。
そのモノの質感だとかには、あんまり興味を示さない。
もちろん触っていて気持ちいい、だとか、
投げ心地がいい、とか思うときはあるけど、
それは主題ではない。
ただ、たとえばパフォーマーをしっかり観察したら、
その道具が触っていて気持ちいいと思っているかどうかは、
見ていてわかるんじゃないかなぁ、と思ったりもする。
「ものの質感を味わう」
ということをテーマに技巧的にモノを扱ったら、
それだけで一つの作品になりそうだな、と思う。
ただ一方で、ものの質感を扱ったアートって、
山ほどありそうだな、とも思う。
一番真っ先に思いついたのは、
「シンプルなかたち展」だった。
以前に六本木の森美術館に来た時に観に行った。
冒頭で、「滑らかな手のひらサイズの石をするすると手のひらで転がすだけの動画」
が出て来た。
当時も、「これはジャグリングだ!!」
と興奮した。
思えば、その動画で、「かたち」を味わう、
自分の中の官能的な感性が刺激されたのだと思う。
いち人間として、普遍的に感じたことのある
「なめらかさ」
を誇張して示されたことで、
「これは面白いなあ」
と思ったのだ。
さて、ジャグラーが感じる
「面白い道具」ってなんなんだろうなー、
ということを近頃考える。
ジャグラーが、ジャグラーとして
「これは面白いかたちだね」というもののかたちと、
普通の人が、
「これは面白いかたちだね」というもののかたちって、
結構違うんじゃないか、という気がするのだ。
ジャグラーは、そのものの
「扱いやすさ」
とか、もっと具体的にいうとたとえば
「引っ掛ける部分の多さ」とか、(ハンガーとかね)
そういうところに惹かれる節があるんじゃないか、という気がする。
0 件のコメント:
コメントを投稿