2018年4月8日日曜日

第39回 『ジャグリング』ということばをめぐる冒険 5

 「ジャグリング」ということば単体について何日間か連続して無理にでも書こうと思ってみてわかったのですが、湧き出てくるアイデアは、実践されてこそ意味がありますね。

 目下、ジャグリングに関する考えを共有、発信していく場所、「Juggler's Base」というものについて何人かの仲間と一緒に考えています。そこで実践されることが、そのまま「ジャグリング」ということばを取り囲む状況について考えることになっていくのだろう、という気がしています。なので、このあたりでことばだけについて考えるのは一旦終了とします。意味がないわけではないんですが、もう少し次に繋がることについて書いてみたいので。
 さて、というわけで今日はオブジェクト・エピソードで見つけた面白いトピックについて。
 404errorという人が立てたこのスレッド。
 Juggling and Wayne McGregor’s project ”Thinking with the body” http://objectepisodes.com/t/juggling-and-wayne-mcgregors-project-thinking-with-the-body/530


 ウェイン・マクレガーという振付家が、具体的な形(TEDの「T」とか)を、どういう風に即興でダンスに翻訳していくか、ということを語っています。そこで、ジャグリングでも似たようなことができないか、という提案。
 ダンスとジャグリングには多くの共通点があるし、学べることもたくさんあると思います。ジャグリングでも、ほとんど否応無しに体は提示していることになっていますから、ダンスについて全く何も知らないよりは、やっぱり知っている方がいいんじゃないかと思います。
 このビデオの具体的な例で言えば、文字を頭に思い描いて、実際にステージの上にも思い描いてみて、それをジャグリングでなぞって表現する、というのは、振り付けを作る方法として有効です。

 こういう方法論をすんなり受け入れるためにも、「ジャグリング」という語義を、常に広く捉えておくのは大切だな、と思います。「それは僕のやるジャグリングじゃないから」とあんまり早く判断してしまうのは、もったいないと思うからです。
 もちろん、ダンスの方法論をほいっとジャグリングに適用したらすぐに面白いものが生まれる、というわけにはいかないでしょう。それは結局ただの援用の域を出ずに、中途半端なものしかできないような気がします。
 でも、その理論とか、考え方をよく学んだ上で、ジャグリングでそれを再現してみて、さらにそれをジャグリング特有の表現みたいなものに昇華できたら、きっと面白いだろうな、と思います。(自分で実践していないし、今思いついただけなので、実際にどうなのかはわかりませんけども)
 
 ダンスとジャグリングの組み合わせ、ということでパッと思いつくのは、ガンディーニジャグリングです。
 カンパニー代表のショーンは、バレエや、トリシャ・ブラウン、マース・カニンガムといった人たちのダンスに魅せられていて、それをジャグリングと掛け合わせた時の、二つの分野同士の対話を楽しんでいる人です。(2016年に行ったインタビューで語っていた。)
  
 時々、ジャグリングの外にインスピレーションを求めると、結構ワクワクします。

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