2018年5月9日水曜日

第70回 フランチェスコ・カスパーニさんのインタビュー邦訳



JugglingMagazine.itを読んでいたら、なんだかインタビューを邦訳したくなったので、手始めに、今年のブリアンツァのフェスティバルに呼ばれていた、フランチェスコ・カスパーニさんのインタビューを載せます。
元記事

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 ジャグリングは、2005年のジャグリングのコンベンションではじめました。
 コンスタントに練習は続けて、各地でちょっとしたパフォーマンスをしつつ、2年後にはサーカス学校に行くことを決めました。様々な理由と、コモ(地名)出身だということもあって、Flic(トリノにあるサーカス学校)に行くことにしました。ITの分野で勉強をしており、舞台関連の経験は全くありませんでした。Flicではゼロから、ダンスや、身体表現、フィジカルシアター、アクロバットの基礎を学びました。

 今は23歳で、(訳者注:このインタビューがなされた年月日は不明)今考えていることは色々とありますが、これからお金を稼いでいくため、コンテンポラリーサーカスのカンパニーを、見つけるなり、作るなりしようと思っています。ジャグリングを取り入れたフィジカルシアターの仕事では、技術を、パーソナリティを表現するための方法として使おうとしていますが、とても難しいです。
 パッシングのデュオもやっていて、その演目は、Flicで個人的に行った、ボールマニピュレーションのリサーチ、複数の物体を使うコンタクトジャグリングと、ストップの動作に関するものを盛り込んだものでした。

 「道具と仲良くなること」について研究をしていて、感情やストーリーを伝えるのは身体との対話であり、それを、リズムの変化や、身体のラインの変化や、空間での動きによって伝えることだ、という風に考えるのが好きです。

 技術の基礎は、ニュートラルな身体を以ってして習得することができます。それから、個々の身体性と向き合い、技術を自分好みに変えていくのです。
 鏡やビデオは使いません。感覚を頼りに進めていきます。なぜなら、鏡は時として人を騙すので、それよりは身体で感じ取った方がいいからです。
 とても重要なのは、取り組んでいるものを、ワーク・イン・プログレスとして人前で見せることです。

 失敗をどういう風に立て直すか、ということについても研究しています。というのは、ジャグラーというのは失敗からは逃れられなくて、ミスをすることを運命付けられているからです。それゆえ、失敗でさえも面白く見せられなければならないし、観客や、それを行っている本人にさえも、気にならないぐらいにして、演技の一部にしてしまう。むしろ、面白い瞬間、ぐらいにしてしまうのがいいのだと思います。


2018/05/09 青木直哉 訳

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