2018年12月31日月曜日

第293回 形にする早さ

普通に暮らしていて、ふと、「あっ、これって、どういうことだろう」と疑問に思うことがある。それを、「よし、あとになったら、このことについて考えてみよう」と思っているうちは、絶対にそれはあとで形にならない。なったとしても、当初の形とはだいぶ違ってきてしまっている。
「お風呂がわいたから、あとで入ろう」ではダメなのである。
お風呂がわいたら、すぐさま入るのが一番気持ちいい。
そういうことを今、考えていて、東急東横線の横浜駅のホームのベンチに座って、Macを開いてこの文章を書いている。僕はよくそういうことをする方だと思っていたけど、まだまだだな。思考からそれが形を取るまでの早さが、まだまだ、遅いんだな。
そしてそのことが、僕をすごくやるせない気分にさせているときがある、と気が付いた。
ならば、ならば。まさしく「書きたい」と思ったその瞬間に、その勢いを消さないまま、思いつく限り筆を進めていくに越したことはない、と思った。

※※※

おととい、友人たちとのご飯の席で、「からあげに羽が生えてザンビアの大統領になる話」という、なんの脈絡もないことを言った。僕はそのアイデアが持っている勢いがとても気になったので、その夜、30分ぐらいかけてその話を書いてみた。

「からあげに羽が生えてザンビアの大統領になる話」

まぁこんなのはしょせん落書きだ、と思っているのだが、でもこれを書いている間の、自分の想像を阻害しないでただ思うことを形にしている間の爽快感は、実にいいものだったな。そして、出来上がったものをみて、ちょっと自分でもびっくりした。

「精密に」ものを少しずつ仕上げる、みたいなことにうんざりしてきてしまっているのかもしれない。それはそれで、いいとしても、とにかく、自分が想像したことをまず机の上に並べたいな、と僕は思う。

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