2019年2月17日日曜日

第320回 大阪いちにち日記。 フラトレス、川内有緒さん、みなぎるしごと。


1日だけ、大阪に行った。
朝7時半、ジャグラーの友人であるショーグンと、夜行バスで大阪に到着。昼まで暇だ。
広場でジャグリングの動画を撮ったり、コーヒーを飲んだりして過ごす。
大阪に来たなぁ、とは具体的にあまり感じぬままに、コーヒー越しに今年の夏のヨーロッパジャグリングフェスティバルめぐりのこと、パフォーマンスという仕事について思うことを話した。

11時頃、今度はまた別のジャグラーの友人とも合流。ランチのインドネシア料理を食べる。
店内ではずっと「ウンタヤ、ウンタヤ」と数十人が松明を囲んで合唱する祈祷の映像が流れていた。 
本当にずっと流れていた。
30分ぐらいして祈祷の映像が唐突に終わり、今度は滝や海辺の写真のスライドショーとともに、木琴の気合いの抜けたメロディがバックで流れる映像に切り替わった。
インドネシアに行きたくなった。 


それからすこし御堂筋を歩いた。
天気がいい日に歩くのは、いいよな。
次の用事まで時間が30分くらいあったので、もう一回コーヒーを飲みながら3人で話す。そういえば、僕を含めこの3人は、みんな今年の夏にイギリスのEJCというフェスティバルに行くジャグラーたちである。
時間になると解散。かわいらしいスコーンもらう。

フラトレス、というジャグリングユニットの公演を見にゆく。

リーダー宮田直人さんのあたまのなかがそっくり表現された、舞台だった。
昔のサークル時代の後輩も、出ていた。
振付、大変だったろうな。

それが終わると、梅田にとんぼ帰りし、ショーグンと晩御飯の安いラーメンを地下の食堂で食べ、梅田蔦屋書店へ。
去年末から著書を読んでいた、川内有緒さんという作家のトークイベントに。対談相手は、華道家の片桐功敦さん。

川内有緒さんHPとノート

片桐功敦さんほぼ日インタビュー

今回のイベントは、川内有緒さんの本、『空をゆく巨人』の刊行記念イベント。

まずこの本は、タイトルがいい。
『空をゆく巨人』。
もともと副題が長かったのを、ジブリの鈴木敏夫さんに、「短いほうがいいよ」といわれ、最終的に短くしたという。
僕も、やっぱり短いこのタイトルは、いいと思う。
『空をゆく巨人』。
カッコいいよな。

川内さんの本はいつも、とんとんぱ、という(ほとんどが)3拍子で、簡潔な言い方で、余韻を広げるようなタイトルである。
『パリでメシを食う。』
『晴れたら空に骨まいて』
『パリの国連で夢を食う。』
『バウルの歌を探しに』

『バウル~』と『晴れたら~』はまだ読めていない。

『空をゆく巨人』は、何度もいろんなところで言っているのだけど、とてもいいノンフィクションである。
アーティスト蔡國強と、彼を支える志賀といういわきのおっちゃんが、どんなふうに作品を作り上げているのか。
そしてその筋書き以外の、各人の履歴もとても面白いのだ。
人がすることのスケールにも色々あるけど、これほどに大きなことをする人もいるんだねぇ、と、読んでいる方も意欲が湧いてくる本である。

対談相手だった片桐さんも印象に残る。震災直後の福島で、現地の花をいけて写真を撮った。そして今も福島に通っている方である。
二人とも根本的な部分で、「自分のしごと」を、なにはともあれ、充実していて、おもしろいものだ、と思っているんだろうな、と感じた。

さて、イベントが終わって、夜行で横浜に帰る。
静かにみなぎるような仕事をしたいよな。



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