2018年11月20日火曜日

第264回 morioka hong kong

 明々後日、山村佑理くんと、ダンサーの坂上健さんが出る公演『草創シェイク』を見に、盛岡に行く。

 今回は新幹線を使う。新幹線に乗るのは久しぶりだ。ここ数年、ずっと夜行バスばかり使っている。今回に限っては連休前だということもあって、夜行バスの値段が異常なくらい高かったので、諦めて新幹線に乗ることにしたのだ。しょうがないよな。

 滅多に乗らないけれど、新幹線はとても好きだ。車内のテーブルで好きなことができる、というのがいい。しかも、走る電車に乗ってしまっている以上、他のところに行くだとか、ひいてはそれほど身体の自由さえもない、そういう状況がとてもいい。

 僕は、「他のことができる可能性があんまりない」ところを好む。たとえば空港で待っていることがすごく好きだ。何年か前に香港に行った時も、朝の空港で6時間くらい待たなければならなかった。その時間で日本から持ってきた新書をじっくり読んでいる時間、あれは幸せだった。

 そして、香港まで飛んで僕は何をしたのかといえば、全然プランも立てずに行ったものだから、3泊4日(だったと思う)、有名なビクトリア・ピークも見ず、ただ安いフェリーに何回か乗ったりして、あとはスタバに入って、何時間も人の往来を眺めてみたり、黙々と考え事をしたり、街を体力の続く限り歩き回ったりして過ごした。

 唯一、ジャグリングの集会があることは知っていたから、そこには顔を出した。そこで出会ったドイツ人のヘナは今でも友達で、今年の夏にもアゾレス諸島で会って、ヘナの彼女と一緒にドライブをした。

 アゾレス諸島でも、結局たいしてお金もないので、ドライブをした以外は、なんだか宿に泊まっていた人と一緒に安いご飯を作ったり、街をもくもくと歩く以外のことはしなかった。

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