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2018年9月4日火曜日

第188回 【台湾三日目】ジャグリング・バトルについて思うこと

改めて、ジャグリング・バトルの意義というか、シーンのこと、について考えている。
この形式のいいところは、多様なジャグリングの姿が見られる、ということにある。

そして、主催のシンホーは、台湾のジャグリング(と、サーカスシーン)にとって、それが一番意味のあることだ、そういうことを狙っている、と言っている。

今日、台湾のサーカス学校(雑技の学院)を見に行って、そこでもシンホーは、自分の身の上話(シンホーも京劇の学院出身である)から始まり、いかに台湾の雑技の世界が、「閉じがち」か、ということを話していた。

僕としては、同じようなスタイルを排出する、ということを必ずしも敵視する必要もないよな、と思う。
むしろ、それはそれで、存在意義があるよな、と思う。
それだけなのは、つまらないよな、と思うけど。

ヨーロッパの方が優れている、という考え方も、違う。
確かに台湾のディアボロの演技を見ていて、必ずしもみんながユニークな演技をする、という訳ではないけど、その「個人間の誤差の少なさ」が目指されることが標準的な考え方の集団があるとしたら、それを積極的に否定することはできないよな、と思う。

じゃあ僕が、いわゆる「台湾スタイル」のディアボロをたくさん見ることに興味があるか、と言ったら、そこは答えに窮するけれども。

ヨーロッパや日本からきたジャグラー、サーカス学校の生徒と交流する


※ ※ ※

【PONTE製作記】
ヨーロッパのことをちょこちょこと書きながら、台湾で起こっていることを整理する、というのはあまり容易なことではない。

それでも、旅行に出ているのは僕一人なので、他に誰がまとめてくれる訳でもないから、仕方ない。
一度に二つの旅行のことを考えるのは、その時に感じる旅情の量が全然違う。

一人でやる量の作業じゃないよな、とか思いつつ、でも色々な発信の仕方をしていて、やっぱり絞った方がいいかもしれないな、と思ったりする。

2018年3月2日金曜日

第2回 猫にジャグリング

 猫に「ジャグリング」という名前をつけた友達がいる。

 台湾に住むその友達は、もともと「シンバ」という猫を飼っていた。シンバは少し太っていて、おとなしく、そして楽しみにしていた遠足が中止になったような悲しい顔をしているトラ猫です。
 その弟分である「ジャグリング」の方は、正確に発音すると「ジュングーリン」みたいな感じで、とにかく活発な白黒の猫だ。シンバと違って細身で筋肉質なので、ジャンプすると僕の背よりももっと高く飛び上がる。その脇でシンバは「ナウー」とか言いながら困った顔をしてうずくまっている。
 「ジャグリング」の方が後輩で、小さい頃に拾われてきた。とにかくいつでも元気に部屋をかけ回っていて、シンバはいつも迷惑そうだ。(もっとも周りを猫が駆け回っていようとなんだろうと迷惑そうな顔をしているが)

 猫に「ジャグリング」なんて名付けてしまうところが、僕はその友達を好きな理由である。もちろん他にもいっぱいいろんな好きなところはあるのだけど、とにかくその一点で、初めて名前を聞いたときに「ジャーグーリン!あはははははは」と笑ったその姿を思い出すだけで、この人は本当にいい人なのだなぁ、と懐かしく思いだされる。

 そしてジャグリングなどと名付けられた猫の不憫さを思う。
 まぁ猫自身を見ると、別にその名前に特に不満を持っているわけではなさそうだし、とにかくはしゃぎまわって、みんなからも愛されているので(フェイスブックにファンページまである)特に支障もないのだろう。
 
 有名なジャグラーの名前でも、「ジャグラー」でもなんでもなく、ただ、「ジャグリング」と名付けられたその猫は、今日も天井から吊るされた鈴を狙って、尻尾をふりふり、飛び上がっているだろう。
 その脇でシンバは、やっぱり今日も「ナウー」とか困った顔で言っているのだろう。

2018年3月1日木曜日

第1回 あぶない韓国

 そんなに行ったか、と自分でも驚くのだけど、韓国で年に一回開かれるKJF(コリア・ジャグリング・フェスティバル)に今まで3回参加している。
 それほど魅力のあるフェスティバルなのかと思われるだろう。
 しかし僕が一番楽しみにしているのはフェスティバルそのものではない(ごめんなさい)。韓国ジャグリング協会のシンさんや、会長さん、副会長さん、そしていつも変わらぬ韓国人ジャグラーたちの顔が見られることが、よいのである。


 フェスティバルの規模はとても小さい。一般的な高校の体育館でおこなわれるのだが、スペースが余ってしまう。正確に数えていないが、たとえば昨年11月に行った時には、開催された週末の二日間で、合計50人も来なかったんじゃないだろうか。小学校の防災訓練の方がよっぽどにぎやかだ。
 一応、主催者シンさんの教え子である小学生や、関係者の方が顔を出しには来る。でも開催中ずっと体育館にいるのは、10人強の青年ジャグラーたちだけだ。進行も行き当たりばったりで、11時に開会の予定だったのに、「いやぁ、人が集まらないから、13時からにしましょう」と言って、予定がいきなり延びるのは普通だし、外ではつららが下がっているような寒さなのに、体育館には暖房が入らないというので、コートを着たままボールを投げなければいけなかったり、参加者の連れてきた雑種犬が、奥の方で毛布にくるまって練習を見ていたり(不用意に近づくと吠えてくる)、競技会に出る予定だった人が遅れて来たので出場しなかったりする。
 奔放なイベントです。





 事務局長シンさんは、このところいつ会っても、「あぶないですよ!」と流暢な日本語で言う。何があぶないんですか、と聞くと、「韓国のジャグラーは全然増えませんね」と答える。
 たしかに、もう何回もKJFに来ているけれども参加者に代わり映えはない。むしろ「去年いたあの人はどこへ行ったのだろう」と思うことのほうが多い。

 僕は少なくとも、KJFにこれからも参加するつもりだ。
 近いからお金も時間もそれほどかからないし、(なにもマダガスカルやアイスランドに毎年行くわけではない)何より、韓国を訪ねるほどに、どんどん、かの国が好きになっていくからだ。
 今回の旅は時間に余裕があったので、ホステルで知り合ったドイツ人とフライドチキンを食べに行ったり、宮殿を見たり、美術館に行ったりもした。(ソウル・キョムボックンの近くにある現代美術館は、とても広くて感じのいい美術館です)あるいは、ひとりで本屋に行ったり部屋で本を読んだり、暮らすように過ごした。冬はちらほら雪も降ったり、とんでもなく寒いけれども、ぶるぶる、とふるえながら店に飛びこんで食べるチゲ鍋はとてもおいしいし、宿に帰って、落ち着いてお酒を飲みながら談笑するのもとてもよい時間で、温かみを感じるものだった。



 僕としては、韓国でほそぼそとでもジャグリングのコミュニティが存在し続けて、しかもフェスティバルが毎年きちんと開催されてくれることは、ちょっとした旅行のきっかけになって、とてもありがたいことなのである。
 シンさん、そして韓国のジャグリング界の皆さんには、「あぶない」のかも知れないが、頑張ってほしい。