2019年5月15日水曜日

第383回 たびのサイクル

トルコ人が家にきた。


彼は、道に腰掛けて、ダンボールに
「9ヶ月間ヒッチハイクで旅をしています。
ブレスレットは言い値で売ります」
と書いて、黙々とブレスレットを作りながら人が通るのを待っていた。

本当に、そんな風に旅をしてきたようだ。

毎日毎日、帰り道で同じところにいるので、2回目に話しかけた時は、安い居酒屋で一緒にビールを飲んだ。

3回目に話しかけた時は、夜寝るところに困っているようだったので、家に泊めてあげた。



僕が旅行者として他の国にいる時、たくさんの人に助けてもらった。

パリで、僕を泊めてくれたクレモンを思い出す。
フィンランドで、いつも面倒をみてくれるラウリを思い出す。
シンガポールで、僕をおいてくれたゲストハウスの夫婦を思い出す。

トルコのアリさんに、つきっきりで街のガイドをしてもらったことを思い出す。


2019年5月14日火曜日

第382回 自分のプレッシャーを自分で調整すること

勢いづいてきましたよ。

ただ、こういうのは、あんまり気合いをいれずに続けるのが良い。

おとといお気に入りのお店に行った話はしましたが、そこの店員さんが、「韓国語をやる」というので、色々楽しそうに今どんなことをしているか話してくれて、それで「あんまりちゃんとやろうとしすぎるのってよくないですよね」という話になった。

そう、そうなのだ。

「ちゃんとやれてないと意味がない」と思う、その厳しい気持ちは大事なんだけど、でももっと大事なのは、続けることそのものだったりする。続けるのに大事なのは、とにかく自分にプレッシャーがないこと、である。プレッシャーを受けたまま毎日何かを続ける、というのは、これは並大抵ではないことになってしまう。

かといってなんのプレッシャーもないのもまた、続けるにあたって縛りがなさすぎるというか、ある程度他人から見られているんだ、という意識も大事であったりする。

その塩梅を調整することに時間と労力を使ったほうがいいのかもしれない、とさえ思う。

自分のプレッシャーを自分で調整すること。

それはそれで、難しいよね。

あんまり関係ないけど、この本、初回入荷分が売り切れました。
また、近いうちに入荷予定です。
とってもいい本です。

2019年5月13日月曜日

第381回 楽しいことを、楽しい気分で

全然どうでもいい話なのだけど、最近『BAKUMAN。』という漫画がミョーに面白くて、(ほとんどのみなさん、ご存知ですよね)僕が行っているコワーキングスペースに置いてあるのを、どんどん読んでしまう。
オーナーに「1日2冊までにしなさい」と怒られちゃうぐらい、熱心に読んでいる。

漫画なんて久しく真剣に読んでいなくて、新鮮な気分だ。

それでも高校生までは、例えば『20世紀少年』なんか、もう大ファンだったな。

まぁ漫画に限らずだけど、最近は新しい文物を摂取する頻度がだんだん減ってきたなぁ、という気がしている。

小説でも、映画でも、音楽でも、なんでも。

そしてそれらを摂取する中で一番大事なのって、やっぱり「気後れしないで、夢中でその中に没入している」ことだと僕は思う。

楽しいことを、楽しい気分で、気後れせずに楽しめる時間を必ず一日5時間ぐらい持てたら最高だよな。

…早起きしますか。

2019年5月12日日曜日

第380回 横浜をぶらぶら

今日は横浜をぶらぶらした。
大桟橋のふもと(というんだろうか?)にあるいつもの馴染みのお店に行った。
そのお店は、世界から仕入れた衣料品や雑貨を主に扱っている。

僕はもともと舶来の服で自分を着飾ることに興味があったわけでもない。
今だって、真剣にそういう趣味があるのか、といったら、全然そんなことはない。
時々、とっても心惹かれるものがあれば買うけれども、まぁ、実際に買ったのは、この2年間で片手でも指が余る回数である。
基本的にそこへ行くのは、美術館を見るように、お店の商品の並べ方だとか、雰囲気だとかを繰り返し繰り返し味わいたいだけである。
そして、何より、お店のいつもの彼らとの気軽な冗談を楽しみたいだけである。
(だらだらずうっとしゃべっているし、自分じゃ買わないから全然売り上げには貢献してないんだけど、でもそういうのが好きだからしょうがない。)

自分が住んでいる町にそういうところを持てる、ってとても幸せだよな、とやっぱり思います。
このお店は、以前僕が住み込みで働いていた宿からもほど近かったので、その頃は実に、週何回、のペースで顔を出していた。
最近は、月に一回行くか行かないか、くらいだろうか。

あ、そうだ、中国のお土産があったから、それを渡さなきゃな、と今思った。

はい、今日は、本当にただの雑感でございました。

でも、こういう雑感も、あとでは全然思い出せないんだよな。

2019年5月6日月曜日

第379回 2019年5月6日、ストレンジシード静岡最終日の感想。

小田原で仕事があった次の日、一日休みがあったので、静岡で行われているイベントを見にいくことにした。ストレンジシード静岡、という名前である。


駿府城を中心として、徒歩15分圏内のあたりのあらゆるところで、無料で作品が見られる。ストレンジではあるものの、質はとても高い。僕が見た6作品は、全て一定以上のレベルだった。


まずは「ロロ」という劇団の、二人の女性が演じる作品を後半から見た。(朝起きるのが遅く、後半しか見られなかった)
駐輪場で、高校生二人が会話をしている様子を、実際に駐輪場で行う。
全て見ていないので僕自身の詳しい感想は遠慮しておくが、とても評判が良かった。途中から見ても、二人とも魅力的な俳優だな、と思った。状況設定がニクいですね。

続いて「いいむろなおきと静岡ストレンジシーズ」。マイムのいいむろなおきさんが一般公募で集めたメンバーの振り付けをした作品。
前半、駿府城の東御門から、中にある芝生のエリアまで、ダンボールでできたロボットをふにゃーん、ふにゃーんと動かしながら歩いてゆく。芝生では、群舞を披露。
稽古には一週間しかなかったそうで、その中であのクオリティのものを仕上げてきたのは素晴らしいと思いました。いいむろさんが「駿府城の敷地の中をロボットがふわふわ飛んでいたり、たくさんの『一般の人』が、みんなでマイムをやったらきっと面白いに違いない」という想像力、のことを僕自身が想像しながら観ると、なんだか、いいむろさん、すごくいい人なんだろうな、と人柄を見た気がしました。



続いて「川村美紀子&米澤一平」の演目を見る。米澤さんは、先日タップダンスのイベントに出演した時に別演目で、一緒の舞台に立っていた。その時の縁もあって、気になったので見に行ってみた。結果、米澤さんはくまの着ぐるみを着て踊っていました。川村さんは、トラ柄の薄い衣装に身を包み、平成に流行った歌のリミックスに合わせて大胆に踊っていました。いや、とにかく勢いがすごくて、「今日できることを限りなく出す!」という意気が見えて、オモロかったです。笑いました。


そのあとは、手短に食事をとって、役所の中でやっていた「Magik Fabrik」というフランスのカンパニーの、「Incognito(アンコニト)」という作品を見る。これが、非常に面白かった。


はじめ舞台上にはアンティーク調の木箱があって、突如その中から音がし、クラウン二人が出てくる。クラウンメイクも、かなりクラシックで(さすがに赤鼻まではつけていないのだが、モダンなクラウンの中ではクラシックな感じ)サスペンダーをつけて、壊れた靴を履いている。その男女二人のクラウンが、箱の中に出たり入ったりを繰り返しながら、空き缶、木の板、風船、ロープなど、ありふれたオブジェクトを使いつつ、観客を見事に引き込んで、シーンを作っていく。
あのですね、一番感動したのが、クラウン二人は、表情、いや、もはや目線だけで、観客をうまいこと、自分たちがきて欲しいところに来させ、やって欲しいことをやらせてしまうのです。
もちろんそれは、大げさにやれば、誰にでもできることですが、この二人に関してはおよそ、少し遠くから見ているともはや何もしているように見えないのに、勝手に観客が前に出てきてしまい、まるで魔法のようでした。

空き缶パート、ロープパート、歌パート、など様々な種類の演目を用意しているのだけど、全てのつなぎ方も、あれは、相当に熟練していないとできない業でしたね。職人が、次にやるべき工程を全て分かっているように、また、何か不測の事態が起きても、それを「うまく収める範囲」を熟知しているように、あれだけシンプルにそぎ落とされた中身だからこそ、一つ一つが全部正確で、練られていて、まさに名人芸でした。
僕が知る中では、間違いなくベストのクラウンでした。


さて、これを見終わり、また駿府城の芝生のエリアに戻って、今度は渡邉尚さん。
ジャグラーです。ですが、一般的に想像されるようなジャグリングとは全く異なるジャグリングをします。


這いながら、飛びながら、逆立ちをしながら、自由自在に体を操り、そのプロセスとジャグリングが一体になっています。
野外の、それも芝生の中でそれをやると、なんだか戯れる動物のようで、いつもと違う感じがしました。
人工物があまりない空間で見ると、余計に、引き立つ部分がありますね。
ううむ。よかった。
フランスのジャグラー、ギヨーム・マルティネと(彼も一流のとてもよいジャグラーですよ)コラボレーションする新作が、2019年10月5、6日に横浜で見られるようです。
そちらも非常に楽しみです。今回ストレンジシードを見逃した方は、これを狙うのがいいかも。なんせ、ひさしさん、なかなか日本にいないので(笑)
いやあ、なんだか、すごい境地に行っちゃってます。



さてそれが終わると、一旦カフェに行きました。
ヒトヤ堂、という、純喫茶です。運営しているのは、僕と同年代の女性3人。
実を言うとここは2階が宿にもなっており、前日、ここに泊まっていたのですが、あまりに居心地がいいので、また帰ってきてしまいました。
サイフォンで淹れたコーヒーを飲む。
至福でした。


さて、一息入れたら、最後に「HURyCAN(ウリカン)」という、スペインからきた(片方はフランス人だけど)ダンサー二人組の演技を観る。
はじめ、男一人が、女性に無理やりキスをしようとするところから、二人の関係を見せつつ、アクトをしているようで、踊っている、という展開。
途中、アクロバット的な要素もあり、サーカスの作品を見慣れている僕にとって、なんだか馴染みのある構成でした。よっぽど、サーカス学校か何かで学んだ人なのかな、と思ったのですが、そういうわけでもないみたいです。(終演後に直接聞いた)二人ともかわいらしく、愉快だった。
二人は、アルトゥールと、カンデラリアという名前です。まぁ、おそらく、ArtHUR y CANdelariaで、ウリカンなんだろうな。(yはスペイン語でand)







さて、こんなところで、残りは、ひさしさんと中華屋でご飯を食べ、しりあがり寿さんのイベントでお酒を少しだけのみ、鈍行の終電で帰りました。


また来年も行きたいぜよ。

2019年5月5日日曜日

第378回 しばらくお休みしていましたが

中国に一週間行っていました。

こちらの方で告知するのを、すっかり忘れていました、ごめんなさい。

現在、静岡に向かう新幹線の中です。

https://www.strangeseed.info/

このイベントを見てきます。
渡邉尚さんも出ているというので、久しぶりに会いたいな、ということもあり。

楽しみです。